公開日 2022年02月18日
三鷹まちづくりフォトコンテストは、写真を通じて、より多くの市民に身近にある三鷹の魅力を再発見し、地域に対する興味・愛着を深めてもらうことや、より良い景観づくりに関する機運を醸成しているコンテストです。
2020年1月1日~2021年12月31日までの二年間に撮影した三鷹市内のまちの景観や情景、自然、人々のふれあい、まちかどの一コマなど三鷹の魅力を発信する写真など広く募集したところ、市内外227人から711点の作品の応募がありました。
厳正なる審査の結果、以下のとおり入賞者が決定いたしました。
◆入賞作品
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- 作品タイトル
- 陽春
- 撮影場所
- 新川 (仙川ー東八道路下)
- 撮影日
- 2021/03/29
- 撮影者
- 大谷 正志さん
- 撮影者コメント
- 仙川の菜の花が満開でした。白鷺、小鷺が春の陽射しのもと静かに餌探しをしていました。
- 講評
- 満開の菜の花、水面に姿を映す二羽の白鷺。二つの主題を生かした画面構成力、撮影技量によって、印象強い作品に仕上げた撮影者の作品作りへの熱意が伝わってきます。
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- 作品タイトル
- 春雪の朝
- 撮影場所
- 井の頭恩賜公園
- 撮影日
- 2020/03/29
- 撮影者
- 内田 一成さん
- 撮影者コメント
- 桜の花に雪が降り積もり、ベンチにも雪が降り積もり、寒そうな光景を撮影しました。
- 講評
- 季節はずれの雪が桜の花に積もり、春の華やかな風情とは対照的な静寂感を伝えています。撮影者の感性によって、いいシーンを逃さず捉えたことで素晴らしい作品が生まれました。
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- 作品タイトル
- 水しぶき
- 撮影場所
- 勝淵神社わきの仙川
- 撮影日
- 2021/11/15
- 撮影者
- 高橋 宏一さん
- 撮影者コメント
- 仙川から飛び出したカワセミが綺麗な水しぶきを出したところです。
- 講評
- 獲物を捕らえた一瞬を見事なシャッターチャンスで撮られた、撮影者の被写体への集中力が窺えます。ストロボを使用し背景を暗く落としたことも、動きを明確にし効果的でした。
- 作品タイトル
- 三鷹野菜を包む虹
- 撮影場所
- 北野
- 撮影日
- 2021/08/19
- 撮影者
- 白間 摩理さん
- 撮影者コメント
- 早朝の激しい雨音に起こされ、雨戸を開けると、先ほどまでの雨が嘘のように急速に天気が回復していました。急いでカメラを持って近くの畑へ行くと、見事な虹が出ていたのです。芽を出した三鷹野菜を包みこむような大きな虹。美味しい三鷹野菜が、さらに美味しくなるようにパワーをチャージしているようでした。三鷹野菜の未来は、七色に輝いています。
- 講評
- 前方に広がる野菜畑と住宅、その上空の大空に架かる見事な虹。雨上がりの陽光がスポット的に当たっているのが効果的なアクセントとなっています。のどかな田園風景、いいですね。
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- 作品タイトル
- 静寂な朝
- 撮影場所
- 井の頭恩賜公園 お茶の水橋
- 撮影日
- 2020/11/26
- 撮影者
- 小川 正良さん
- 撮影者コメント
- 朝もやに包まれた井の頭池の静寂な朝を山水画のように表現したく、逆光で撮影しました。
- 講評
- 朝霧が池全体を覆った美しい墨絵的な写真になっています。橋の上の人物が右寄り気味に感じるところを、左下の水鳥の存在がバランスを保ち、それを感じさせない効果となっています。
- 作品タイトル
- 日の光と大樹
- 撮影場所
- 井の頭恩賜公園
- 撮影日
- 2020/06/16
- 撮影者
- 加藤 歩さん
- 撮影者コメント
- 眩しいくらいの日光に当たっている大樹を写真に撮りました。
- 講評
- 樹齢何百年と思える大樹を魚眼レンズを使って超ワイドの構図で撮られ、中央の太陽のフレアーが日輪のような効果となって、神秘的な存在感を放つ作品になっています。
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- 作品タイトル
- 丸池の里
- 撮影場所
- 丸池公園
- 撮影日
- 2020/05/01
- 撮影者
- 大木 順さん
- 撮影者コメント
- 子どもたちは丸池で虫を捕まえたり、おたまじゃくしを探したり稲作体験をしたりするのが大好きです。
- 講評
- 撮影場所である丸池の里は、ワークショッププランを基に多くの市民の皆さんによって復活した公園です。緑が多い池のほとりで揃いの洋服を来た兄弟がたたずんでいる姿は微笑ましく、今も地域の皆さんに愛される場所であることを嬉しく思います。撮影者と兄、弟、妹と思われる関係性が伝わってきて温かい気持ちになる作品です。
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- 作品タイトル
- コロナ禍の休日、光の中で
- 撮影場所
- 三鷹市大沢
- 撮影日
- 2021/05/04
- 撮影者
- 小倉 輝昭さん
- 撮影者コメント
- コロナ禍の五月の連休。三鷹の西の端、野川に架かる東八道路の架橋の下、光に包まれ小魚を追う子供たちの姿が印象的でした。不自由な生活を強いられている子供たちにとって最良の一日だったと思います。
- 講評
- 東八道路近くの架橋下の野川で、子供達が浅瀬で遊ぶ姿や、それを見守る人々、自転車を押して川沿いを楽しむ人など、手前と奥の光の陰影の構成が幻想的で、とても素敵な写真です。また、手前の影の暗い状況と奥の楽しげな状況は、あたかも現在の問題と明日の希望が感じ取れて、1日も早いコロナの収束と平和な日常の戻りを望むばかりです。
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- 作品タイトル
- 連雀通り、2月の朝。
- 撮影場所
- 下連雀6丁目
- 撮影日
- 2021/02/22
- 撮影者
- 井上 健さん
- 撮影者コメント
- 下連雀2丁目の連雀通りから東を見た日の出。左側の木は2021年夏に道路拡張のため伐採されました。携帯から撮影したのでバスの行き先は写せていませんが、調布駅行きです。
- 講評
- 「早起きは三文の徳」と言われるように、それを実践されていることでこの様な出会いがかなったのでしょう。朝日を拝み、元気パワーをもらったような気分になりますね。
- 作品タイトル
- 夕方の井の頭弁財天
- 撮影場所
- 井の頭恩賜公園 井の頭弁財天
- 撮影日
- 2021/02/04
- 撮影者
- 岡田 和美さん
- 撮影者コメント
- 井の頭池で夕陽を撮っていたら、あっという間に暗くなってしまいました。急いで歩いて帰る途中、ふと見えた弁天様が、ものすごくきれいでした。
- 講評
- 写真は同一のものでも、季節や時間帯や撮る条件の違いによって表現性が多様になります。この写真は明りが灯り始めた条件で撮ったことで、朱色が強調され印象を強くしています。
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- 作品タイトル
- 野生化
- 撮影場所
- 井の頭恩賜公園 弁天橋付近
- 撮影日
- 2021/09/05
- 撮影者
- 太田 雅志さん
- 撮影者コメント
- 井の頭公園を散歩中に見慣れない緑色の鳥を発見。調べてみると、ワカケホンセイインコという野生化した外来種の鳥でした。生態系に影響はないのか、考えさせられました。
- 講評
- 羽根を広げ飛翔した一瞬を逃さず撮られた撮影者の集中力が写真から窺えます。この写真を介して、野生化した外来生物の生態系に関心を持つきっかけになるといいですね。
- 作品タイトル
- 合歓の木の蜜を吸う、ナガサキアゲハ
- 撮影場所
- 丸池公園の合歓の木
- 撮影日
- 2021/08/14
- 撮影者
- 千葉 たか子さん
- 撮影者コメント
- 雨の日の撮影。
- 講評
- 蜜を吸っているアゲハ蝶を撮られた何気ない光景ですが、この写真が目を引くのは、前面に雨粒のような水滴が写っていることです。このタイミングを逃さず撮られたまさにナイスショット!
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- 作品タイトル
- 夜の橋
- 撮影場所
- 井の頭恩賜公園
- 撮影日
- 2021/12/11
- 撮影者
- 永井 碧人さん
- 撮影者コメント
- 夜の橋がライトアップされていてきれいでした。
- 講評
- 井の頭公園内の七井橋の床面にカメラを据えて、夜景を撮られた視点がよかったです。シンメトリーの画面構成と前方にシルエットの人物の気配を入れた捉え方も効果的でした。
- 作品タイトル
- 三鷹の月
- 撮影場所
- 三鷹通り (下連雀9丁目)
- 撮影日
- 2021/09/21
- 撮影者
- 河野 晃大さん
- 撮影者コメント
- 中秋の名月に撮りました。月の下にある木の枝が綺麗だったので撮りました。
- 講評
- 画面中央に大きく月を配し、手前に細めの小枝を取り合わせた対比もユニークで、自由な発想による表現も新鮮に感じられます。次なるチャレンジに期待しています。
- 作品タイトル
- 羽自慢
- 撮影場所
- 井の頭恩賜公園 七井橋
- 撮影日
- 2021/06/21
- 撮影者
- 太田 麗奈さん
- 撮影者コメント
- カワウにギリギリまで接近してママのスマホで撮りました。黒い羽がきれいで驚きました。
- 講評
- 橋の欄干に止まり、羽根を乾かしている姿を誇らしげに羽根自慢をしている風に捉えた狙いに、ユーモアセンスが窺えます。人と野生動物が共存している姿を明快に伝える写真です。
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◆総評
ケイ アンナ審査委員(三鷹市在住マルチタレント)
今回、人物の写真が少なかったのですが、登場する人物はほとんどが子どもでした。今、コロナ禍では外に出ていくのは怖いですが、三鷹は緑があって、自然があって、オープンスペースがたくさんあるので、子どもたちがいきいきとして、活動している様子が伝わる作品が多かったのではないでしょうか。こんな大変な状況のなかでも、三鷹に住んでいるということは素晴らしいことだなあと本当に思いました。
三鷹は都心にも近い、けれど緑豊かで空気が澄んでいて、また水もきれいで、本当に住みやすいまちだということが写真をとおしても伝わってきます。
コロナの中でもこれだけ素敵な写真が撮れたということは凄いことだと思います。
【プロフィール】
アメリカ人の父と日本人の母との間に生まれる。3歳から12歳までアメリカ合衆国テキサス州で育つ。高校在学時より雑誌のモデルやラジオに出演、大学入学後よりテレビ、ラジオでタレントとして活動。その後も司会やレポーター、通訳など幅広く活躍しているマルチタレント。1979年にギタリストでバンドマスターである三原綱木氏と結婚。
林 義勝審査委員(日本写真家協会会員、林忠彦作品研究室代表)
この度の未曾有のコロナ禍による不要不急の外出自粛が求められた時勢にも関わらず、沢山の力の籠った写真が応募され、その一枚一枚から作品づくりへの真摯な姿勢が感じられました。内容的には自然環境を題材にした風土、生活他、スナップ等バリエーション豊かでどの写真からも三鷹への郷土愛が感じられ、心地良い気分で審査に臨ませていただきました。今回から新たに三賞が追加されたことで、より表現の幅が広がり、今後の作品づくりへの励みになると思っています。上位作品に関しては、それぞれ明確な視点で被写体と対峙して捉えた表現力ともに優れた内容の作品群でした。追加された「未来の写真家賞」の受賞作は自由な発想と表現によって撮られており、今後が楽しみです。
人と人との交流が簡素化されていく中、写真を通じて感動を共感できるワクワクするような作品づくりに、今後もチャレンジされていかれることを期待しています。
【プロフィール】
1950年、写真家 林忠彦の四男として東京に生まれる。エディトリアルの分野で活躍する一方、テーマ写真を得意とし、歴史的背景を織り込んだ日本の原風景や「能」などの伝統芸能などの撮影に取り組む。ニューヨークをはじめ国内外での写真展多数開催。主な写真集、「十二支伝説」「龍伝説」「観世宗家能面」「新シルクロード」「東海道の旅」他。新著は、林忠彦・義勝親子の魅力に迫る写真集/伝記「オヤジの背中 写真家・林忠彦──父・林忠彦」。現在、日本写真家協会会員、林忠彦作品研究室代表。