公開日 2020年03月01日
三鷹まちづくりフォトコンテストは、写真を通じて、より多くの市民に身近にある三鷹の魅力を再発見し、地域に対する興味・愛着を深めてもらうことや、より良い景観づくりに関する機運を醸成しているコンテストです。2019年の一年間に三鷹市内のまちの景観や情景、自然、人々のふれあい、まちかどの一コマなど三鷹の魅力を発信する写真など広く募集したところ、市内外187人から543点の作品の応募がありました。
厳正なる審査の結果、以下のとおり入賞者が決定いたしました。
◆入賞作品
一般部門
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- 作品タイトル
- 玉川上水と紅葉
- 撮影場所
- 若草橋(井の頭2丁目付近)
- 撮影日
- 2019/12/03
- 撮影者
- 宮口 智弘さん
- 撮影者コメント
- 玉川上水の橋の上から撮影した紅葉です。12月ですが、まだ緑の葉も多く、複雑な色合いが出ています。
- 講評
- 玉川上水を覆う錦織りなす紅葉越しの水面に木漏れ日を映した光景を俯瞰気味のアングルで美しい自然の残る三鷹の初秋の景を見事に捉えた、グランプリにふさわしい作品です。
- 作品タイトル
- 井の頭池がモネの名画のように
- 撮影場所
- 井の頭恩賜公園
- 撮影日
- 2019/06/19
- 撮影者
- 齋藤 友良さん
- 撮影者コメント
- 井の頭池が、かいぼり効果で綺麗になった事をテレビのニュ―スで取り上げていました。池は透き通っていて藻が黄緑色に染まり美しいです
- 講評
- 水面に映した新緑と水草のグラデーションが季節感を伝え、手前に紫陽花を配した構成も効果的でした。井の頭池からモネの絵画を彷彿とさせるような清涼感のある作品です。
- 作品タイトル
- はる・さくら・かわせみ
- 撮影場所
- 仙川
- 撮影日
- 2019/04/01
- 撮影者
- 石川 篤さん
- 撮影者コメント
- 桜の花が咲くと、かわせみは止まらないとの通説を覆してくれました。
- 講評
- 桜の垂れに羽を休め、満開の桜を愛でているかのような一羽のカワセミ。この地ならではの美しい自然環境が残る春爛漫の光景を逃さず捉えた撮影者の集中力がうかがえます。
- 作品タイトル
- 井戸端会議
- 撮影場所
- 井の頭恩賜公園 小鳥の森
- 撮影日
- 2019/09/29
- 撮影者
- 小河 裕介さん
- 撮影者コメント
- 何を話しているのかな?話題は尽きることなくメジロ押しのようで、小鳥の森いっぱいに会話が聞こえてましたよ。
- 講評
- メジロの群れが連なって羽を休めている光景を疑似的に「井戸端会議」と捉えた撮影者のウィットに富んだセンスがうかがえます。背景と羽根の色が同系色になっているのも視覚的にお洒落!
- 作品タイトル
- ファンタジー
- 撮影場所
- 三鷹の森ジブリ美術館前
- 撮影日
- 2019/09/26
- 撮影者
- 寺島 承子さん
- 撮影者コメント
- 駐輪場のマークも可愛いジブリ美術館。見上げれば木漏れ日がキラキラしていて、まるでジブリの世界にいるようでした。
- 講評
- クラシカルな標識を被写体としてビジュアル的に捉え、ローアングルから木漏れ日を、フィルターを使って輝きを効果的に表現された撮影者のセンスとテクニックが窺えます。
- 作品タイトル
- 静と動
- 撮影場所
- 井の頭恩賜公園西園
- 撮影日
- 2019/03/24
- 撮影者
- 小川 正良さん
- 撮影者コメント
- グランド脇の大きな欅が朝のランニングを応援しているようだ。
- 講評
- アフリカ大陸に自生するバオバブを彷彿とさせるような大樹の影響を中心に配し、左横にランナーの影を写し込んだ印象強い写真です。ただ、左端の膝を入れないと、より良かったでしょう。
U18部門
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- 作品タイトル
- 丸池パラダイス
- 撮影場所
- 新川丸池公園
- 撮影日
- 2019/11/13
- 撮影者
- 山田 泰陽さん
- 撮影者コメント
- いつもの のんびりとした昼間の丸池公園も夜になると未知の世界へと変わり始めますそんなドキドキ感が僕がはじめてカメラを触った日のドキドキ感に思えたので 今回この場面を切り取ってみました
- 講評
- 写真の魅力は多様な表現性にあります。何気ない光景を夜、フラッシュを使って撮影したことにより普段とは違う世界観を醸し出しています。撮影者の感性がうかがえる印象強い作品です。
- 作品タイトル
- 赤に染まる
- 撮影場所
- 鷹南学園 三鷹市立第五中学校
- 撮影日
- 2019/01/19
- 撮影者
- 井田 明音さん
- 撮影者コメント
- 部活動中に撮影した作品です。真っ赤に染まった空に惹かれて衝動的に撮りました。偶然赤い空があり、偶然そこに鳥が二羽飛んでいた偶然が重なった写真です。
- 講評
- 茜空とシルエットの富士山の赤と黒のコントラストが強調されたインパクトのある作品です。逆光のチギレ雲、上空を飛翔する鳥の存在も効果的なアクセントとなっています。
- 作品タイトル
- 宇宙の片隅で一休み
- 撮影場所
- 三鷹中央防災公園
- 撮影日
- 2019/10/09
- 撮影者
- 岡 草吾さん
- 撮影者コメント
- 宇宙の片隅のような風景を撮りました。自転車のヘルメットとリュックサックを映したので一休みしているように思ったのでこのタイトルにしました。
- 講評
- 「宇宙の片隅で一休み」というタイトルをつけられた撮影者の思いなど想像を巡らせていたら、手前の白いベンチは宇宙船?そんな異次元へと誘うかのような楽しい作品です。
- 作品タイトル
- 富士見
- 撮影場所
- 中原二丁目
- 撮影日
- 2019/12/15
- 撮影者
- 白岩 未来さん
- 撮影者コメント
- 家の近くの高台からいつも見ている富士山を、夕方撮影しました。
- 講評
- 富士山の上空を覆う茜色に染まった空のグラデーションがドラマチックです。この光景を目の当たりにした感動が伝わってきます。霊峰を望める三鷹、いいですね!
- 作品タイトル
- 夜の世界 夢の世界
- 撮影場所
- 三鷹駅前
- 撮影日
- 2019/12/21
- 撮影者
- 小川 桃葉さん
- 撮影者コメント
- 看板が3Dのように空に浮いているかのようで、すごく魅力的でした。
- 講評
- 豊かな自然環境を題材にした風景写真が多い中で生活圏に目を向け、メインストリートのネオンサインが浮かび上がる街の灯りで人の営みを捉えた視点と狙いが良かったです。
- 作品タイトル
- 夜の七井橋
- 撮影場所
- 井の頭恩賜公園
- 撮影日
- 2019/11/18
- 撮影者
- 酒井 煌太さん
- 撮影者コメント
- 11月の中旬、ある寒い日たまたま見つけた光景。空気は寒いが橋の両端の照明が暖色で冬だが心温まる写真となった。
- 講評
- 七井橋は四季折々の光景を愛でに沢山の人たちが行き交う観光スポット的な橋で、人が途絶えたタイミングは良かったですが、この場合、人が入らない方がより良かったです。
- 作品タイトル
- 三鷹の古城
- 撮影場所
- 三鷹市山本有三記念館
- 撮影日
- 2019/11/30
- 撮影者
- 藤木 洸太朗さん
- 撮影者コメント
- 秋の山本有三文庫が、昔のお城みたいでかっこいい!
- 講評
- 三鷹市ゆかりの文豪、山本有三の旧居は本格的な西洋様式を伝える佇まいはまさに古城と見紛うようです。ローアングル気味から威風堂々とした姿を捉えましたね。
みたか都市観光協会賞
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◆総評
ケイ アンナ審査委員(三鷹市在住マルチタレント)
一般部門は、去年と比べ、とび抜けた作品が少なく、入賞作品を見ると、三鷹の色々な場所の良さが表現されていて安心しました。
色の出し方がすごい作品やアーティスティックな作品も多くありました。また、三鷹は、都心に近いにも関わらず、自然が多く、いろんな種類の鳥や馬もいる。田植えもできる。そんな魅力が表現されていました。
将来的になくなってしまう可能性もあるので、写真で残しておくというのはとても大切だと思います。
U18部門は、もっと頑張ってほしいと昨年伝えましたが、今回は本当に頑張ってくれました。今回は、5歳から16歳まで年齢によってバラエティに富んだ作品がありました。
下から上に向けた角度の写真は、子どもならではの視点です。今しか撮れないものをどんどん撮ってほしいと思います。
写真って、ダイヤモンドのカットのように、撮る人によっていろんな面があり、素敵だなとあらためて感じました。
【プロフィール】
アメリカ人の父と日本人の母との間に生まれる。3歳から12歳までアメリカ合衆国テキサス州で育つ。高校在学時より雑誌のモデルやラジオに出演、大学入学後よりテレビ、ラジオでタレントとして活動。
その後も司会やレポーター、通訳など幅広く活躍しているマルチタレント。1979年にギタリストでバンドマスターである三原綱木氏と結婚。三鷹市在住。
林 義勝審査委員(日本写真家協会会員、林忠彦作品研究室代表)
今回は、応募作品が大幅に増えたということで、大変嬉しく思います。
一般部門の第一印象は、三鷹はなんて自然が豊かなところなんだろうという驚きです。作品から、自然と共存して暮らしている人々の心の豊かさを感じることができました。三鷹は良いところですね。ここに住んでみたいなと誘ってくれるような写真が多かったのが印象的でした。
前回に比べ、全体的に作品のバリエーションは少なかったのですが、上位になった作品を見ると、自然の四季折々の風景や、鳥や動物の作品など自然のすばらしさを心豊かな感性で被写体に向き合っている様子が感じられ、とても良いと思いました。
U18部門は、若い人の自由な感性で表現された作品を期待していました。今回、それぞれの年齢に合った内面性を表現された作品が多かったのが印象的でした。これからも感性を磨き、新たな表現をしていただきたいと思います。
このコンテストは、全体的にレベルの高い作品が多く見られます。これからも、まちの魅力を見つけ、カメラに収めてください。
【プロフィール】
1950年、写真家 林忠彦の四男として東京に生まれる。エディトリアルの分野で活躍する一方、テーマ写真を得意とし、歴史的背景を織り込んだ日本の原風景や「能」などの伝統芸能などの撮影に取り組む。ニューヨークをはじめ国内外での写真展多数開催。 主な写真集、「十二支伝説」「龍伝説」「観世宗家能面」「新シルクロード」「東海道の旅」他。新著は、林忠彦・義勝親子の魅力に迫る写真集/伝記「オヤジの背中 写真家・林忠彦──父・林忠彦」。現在、日本写真家協会会員、林忠彦作品研究室代表。