公開日 2018年03月01日
三鷹市内の四季折々の自然、人々のふれあい、まちの表情などの写真を募集しているまちづくりフォトコンテストは、今年のテーマを「三鷹の『瞬間(とき)』を撮る」とし、「一般部門」と「U18部門」の2部門を設け募集したところ、147人から411点の作品の応募がありました。
1月下旬に厳正なる審査をした結果、以下のとおり入賞者が決定いたしました。
◆入賞作品
一般部門
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- 作品タイトル
- 不安
- 撮影場所
- 三鷹電車庫跨線橋
- 撮影日
- 2017/09/16
- 撮影者
- 渡邊 充史さん
- 撮影者コメント
- 深夜の雨の陸橋で何とも言えない不安を感じたので、撮影しました。
- 講評
- 跨線橋を撮られた写真は何枚かありましたが、夜景の橋をモノクロでシンメトリーのフレーミングで捉えた視点が新鮮に感じました。モノクロにしたことによって、視覚的な印象だけなく、内面的な部分までもが一枚の写真に内包されたインパクトがある写真です。今年(平成30年)は太宰没後70年の年でもあり、不思議な縁を感じます。
- 作品タイトル
- きらめき
- 撮影場所
- 野川公園
- 撮影日
- 2017/05/20
- 撮影者
- 田中 幸恵さん
- 撮影者コメント
- 夕刻、野川公園のわき水広場で遊んでいました。陽が傾き出すと、夕陽が水をきらめかせ、光に溢れた景色となりました。女の子と向き合う男の子。「あのね。。なに?」
- 講評
- とてもさわやかで、すがすがしい写真ですね。撮影者のやさしい眼差しだけではなく、その思いを表現する逆光を生かした水のきらめきなど、すべての条件がピタッと合っています。思いと技術のバランスがとれたことで、このような作品を撮ることが適ったのでしょう。
- 作品タイトル
- 池の指揮者
- 撮影場所
- 井の頭恩賜公園
- 撮影日
- 2017/04/10
- 撮影者
- 鈴木 浩之さん
- 撮影者コメント
- 池の中央でペアらしき2羽のカワウが枝をくわえて振り回している様が、まるで指揮台の上で指揮棒を振っているみたいでした。
- 講評
- 野鳥として捉えるのではなく、擬人的にとらえた狙いがいいですね。タイトルにあるように、まるで鳥たちが会話をしながら行動しているように見えるシーンを逃さず捉えた、撮影者のユーモアセンスがうかがえる楽しい写真です。
- 作品タイトル
- ミドリとカワとイノヘッド
- 撮影場所
- 井の頭恩賜公園
- 撮影日
- 2017/07/30
- 撮影者
- 木色 雄紀さん
- 撮影者コメント
- イノヘッドいい言葉
- 講評
- タイトルも、おしゃれセンスとウィット感に富んでいるのがいいですね。小川の背景の木立の隙間に井の頭線の先端部分を写し込んだ、狙いとシャッターチャンスが見事に合った作品です。
- 作品タイトル
- エントツくん
- 撮影場所
- 上連雀
- 撮影日
- 2017/11/14
- 撮影者
- 内田 一成さん
- 撮影者コメント
- 朝焼けの空にエントツくん。気温が低い日、水蒸気が急激に外気に冷やされて白い煙みたいに見えます。
- 講評
- エントツを主題に、余計なものは入れずに、背景に朝焼けの空と煙だけに狙いを絞った、色彩、構図的にも撮影者のアーティスティックな感性が伺える作品です。
- 作品タイトル
- 不思議な雲
- 撮影場所
- 武蔵野の森公園
- 撮影日
- 2017/11/01
- 撮影者
- 佐藤 保治さん
- 撮影者コメント
- 公園の中にある展望の丘。うろこ雲が消え、新たな雲に形を変えてきました。
- 講評
- 空の広さ、上空の雲の形、それとベンチに座っている一人の人物を小さく配した構図がいいですね。人間は自然の元で生きていることを明快に感じさせてくれる作品です。
- 作品タイトル
- ありがとう
- 撮影場所
- 井口グラウンド
- 撮影日
- 2017/11/23
- 撮影者
- 玉井 あかねさん
- 撮影者コメント
- 小学校の野球チームの卒団リーグです。野球の楽しさ、すばらしさを教えてくれて野球チームに誘ってくれた親友に感謝です!!
- 講評
- 二人の少年の笑い声が聞こえてくるような、その場の臨場感をよく捉えている微笑ましい作品です。
U18部門
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- 作品タイトル
- 寒桜
- 撮影場所
- 下連雀
- 撮影日
- 2017/12/31
- 撮影者
- 國分 標人さん
- 撮影者コメント
- マンションの中庭に一足早く春が来ました。
- 講評
- 三輪の寒桜をアップで狙い、背景をぼかすなど、撮影テクニックもなかなかです。この作品を通して、夢や希望を抱いて青春時代を生きている撮影者の今の心境を垣間見たような気がします。
- 作品タイトル
- 燃ゆる富士
- 撮影場所
- 鷹南学園三鷹市立第五中学校
- 撮影日
- 2017/11/24
- 撮影者
- 井田 明音さん
- 撮影者コメント
- 部活動中に撮影した作品です。夕焼けの写真を撮っていたら富士山にかかる雲が燃えているように見え面白く思い撮影しました。
- 講評
- 住んでいるところから富士山が見られるって、すばらしい環境ですね。空が夕日によって赤く染まり、背景の雲が沸き上がった光景に感動し、シャッターを切った撮影者の思いがストレートに伝わってきます。手前にある電線も、三鷹ならではの富士山の光景であり、気になりません。
- 作品タイトル
- 平和な1日
- 撮影場所
- 丸池公園
- 撮影日
- 2017/11/23
- 撮影者
- 岩崎 七海さん
- 撮影者コメント
- のんびりと外に散歩に行きたくなるような写真が撮れました。
- 講評
- 日常の中で感動した美しい光景に出会い、「なんて素敵なんだろう」と撮影者の心が開いているのを感じとることができます。青空の中の雲が青春を表わす効果的なアクセントにもなっています。
- 作品タイトル
- 景色
- 撮影場所
- 井の頭恩賜公園
- 撮影日
- 2017/12/10
- 撮影者
- 小河 優衣さん
- 撮影者コメント
- 秋の井の頭公園は絵を描く人がたくさんいました
- 講評
- 構図がすばらしい。シルエットの木の幹を手前に配した構図にしたことで、奥行きを感じさせています。背景の赤く染まった紅葉、手前の赤い服装もこの画面の中にいいアクセントになって効果的でした。
- 作品タイトル
- 夕日に照らされる雲
- 撮影場所
- 新川
- 撮影日
- 2017/09/12
- 撮影者
- 永浜 友里瑛さん
- 撮影者コメント
- 雲が夕日に照らされているオレンジ色の空を写しました。
- 講評
- 夕焼け雲のグラデーションが美しいですね。余計なものを入れず、ストレートに雲だけで切り取った構図がデザインアート的です。
- 作品タイトル
- 空へ
- 撮影場所
- 牟礼
- 撮影日
- 2017/09/30
- 撮影者
- 佐藤 和海さん
- 撮影者コメント
- ベランダでシャボン玉を吹いて遊んでいたら、シャボン玉が空へ空へと向かっていって、その光景がとても綺麗だったので写真を撮りました。
- 講評
- 青空へ輝きながら昇っていく姿シャボン玉の光景を見て、「なんてきれいなんだろう」と感じた撮影者の思いが、青空とシャボン玉と撮影者された本人と重なり、青春を感じます。
- 作品タイトル
- 木の休憩所
- 撮影場所
- 花と緑の広場
- 撮影日
- 2017/10/01
- 撮影者
- 宮本 陽生さん
- 撮影者コメント
- いい木陰です
- 講評
- アーチ状の木を主役にし、背景の本という赤い看板を脇役にしたフレーミングの切り取り方もいいですね。また、中央の車の色が赤色だと、よりいいアクセントとなって効果的でしたね。
三鷹フィルムコミッション賞
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- 作品タイトル
- 冬の早朝 みたか駅前ラジオ体操
- 撮影場所
- 緑の小ひろば
- 撮影日
- 2017/12/05
- 撮影者
- LEMOING CYRILさん
- 撮影者コメント
- 朝6時半から駅前で毎週行われているラジオ体操。冬の早朝、みんなが集まって体操をしているところです。
- 講評
- 何年か前から三鷹駅南口ジブリ美術館行きバス乗場横の「緑の小広場」で、毎日曜日の早朝に有志の皆さんが中心になって、早朝のラジオ体操を楽しむ姿をみかけるようになりました。 小広場で輪になって、お互いの顔を見ながら冬の寒さを吹き飛ばすようにラジオ体操を楽しむ姿と、集まりを通した互いのつながりがこの1枚から伝わるようです。
駅のホームから見えるところに、このような広場があることも嬉しいですね。
(特定非営利活動法人 みたか都市観光協会 理事長 金子 彰)
◆総評
ケイ アンナ審査委員(三鷹市在住マルチタレント)
今回は応募作品が増えて喜ばしいですね。三鷹に長年住んでいますが、都心に近いのに緑豊かな三鷹、古い三鷹もあって、こういう写真を見ると一段と素晴らしいまちだということを再認識させられます。三鷹で野菜の栽培が行われている写真もすばらしいですし、鳥や緑や花などは色鮮やか。そういうところが素敵だと思います。
今回は人物が少なくて、景色が多いのが特徴でした。また、アート的な作品が数多くあったのが印象に残っています。写真にいろいろな感情が入っていて、それを楽しませてもらいました。
【プロフィール】
アメリカ人の父と日本人の母との間に生まれる。3歳から12歳までアメリカ合衆国テキサス州で育つ。高校在学時より雑誌のモデルやラジオに出演、大学入学後よりテレビ、ラジオでタレントとして活動。
その後も司会やレポーター、通訳など幅広く活躍しているマルチタレント。1979年にギタストでバンドマスターである三原綱木氏と結婚。三鷹市在住。
林 義勝審査委員(日本写真家協会会員、林忠彦作品研究室代表)
今回の応募作品から、三鷹は、豊かな自然と住む人たちが共存していることが伝わり、あらためて素晴らしい環境であるということを感じました。
一般部門の上位入賞者は、都会の中では味わえない土と空気と水との関わり合いがある作品が多かったです。U18部門は、全体的にもう少し若さが感じられる表現があれば良いと思いましたが、被写体に対し、真摯に向かい合って撮られていることが伝わってくる作品が多かったです。
「写真はこう撮らなくては!」という概念はあまり持たない方がいいと思います。感じたまま感動をそのまま一枚の写真に写し込むことが大事です。
写された写真を見た人が同じ感動を共有できることが写真の素晴らしさでもあります。今回、皆さんの作品を拝見して私自身が触発され、あまたの思いを共有することができたことを嬉しく思っています。
【プロフィール】
1950年、写真家 林忠彦の四男として東京に生まれる。エディトリアルの分野で活躍する一方、テーマ写真を得意とし、歴史的背景を織り込んだ日本の原風景や「能」などの伝統芸能などの撮影に取り組む。ニューヨークをはじめ国内外での写真展多数開催。 主な写真集、「十二支伝説」「龍伝説」「観世宗家能面」「新シルクロード」「東海道の旅」他。新著は、林忠彦・義勝親子の魅力に迫る写真集/伝記「オヤジの背中 写真家・林忠彦──父・林忠彦」。現在、日本写真家協会会員、林忠彦作品研究室代表。