公開日 2024年11月14日
更新日 2024年11月14日
1999-2003
中心市街地活性化法に基づくTMOとして
1999年11月、株式会社まちづくり三鷹は、1998年7月に制定された「中心市街地における市街地の整備改善及び商業等の活性化の一体的推進に関する法律(中心市街地活性化法)」に基づき、まちづくり機関(TMO:Town Management Organization)として設立されました(市の出資比率が2分の1以上かつ出資者の3分の2以上が中小企業者)。
TMOとして最大限の効果を発揮するとともに、市の第三セクターとして公共的な役割を果たすことも必要とされました。あわせて、株式会社として独自の事業収入源の確保と利益追求を行い、民間の柔軟性とスピードを兼ね備えることが求められました。
「三鷹TMO構想」の認定
1998年に三鷹市で策定した三鷹市中心市街地活性化基本計画に則り、当社では2001年1月に、「三鷹TMO構想」を策定しました。これは、中心市街地の魅力を再生・創造するために、地域経営資源を最大限に生かしながら商業やまちの活性化を推進するものであり、同年3月に当社は「三鷹TMO」として三鷹市より認定されました。
三鷹TMOとしての主な事業
・三鷹駅前の中心市街地活性化エリア内での魅力ある商業空間づくり
・三鷹電子商店街「みたかモール」の運営支援
・三鷹市の新マスコットの商品開発
・駐車場・駐輪場の管理
・市民住宅の管理
・三鷹産業プラザ、タウンプラザなどの管理・運営 など
三鷹TMOとして提出したTMO計画(中小小売商業高度化事業計画)は、経済産業大臣により認定をうけ、「三鷹TMO推進協議会」を編成しました。
三鷹市との協働
三鷹市の条例「三鷹市と株式会社まちづくり三鷹との協働に関する条例(2001年10月 条例第17号)」に基づき、当社と三鷹市は、2001年に「協働に関する協定」を締結しました。
協定の具体的な内容は下記のとおりです。
- (目的)
第1条 この条例は、三鷹市(以下「市」という。)と市等の出資により設立した株式会社まちづくり三鷹(以下「まちづくり三鷹」という。)が協働し、もって総合的なまちづくりの推進を図ることを目的とする。 - (協定)
第2条 市とまちづくり三鷹とは、相互に協力し合い、連携を図りながら、協働による総合的なまちづくりを推進するため、協定を締結するものとする。 - (協力、助言及び支援)
第3条 市長は、まちづくり三鷹に対し、その健全な運営と活発な事業展開を図るため、適切な協力及び助言をおこなうとともに、毎年度予算の定めるところにより、必要な支援をおこなうものとする。 - (報告)
第4条 市長は、まちづくり三鷹に対し、その運営と事業展開の状況について、必要な報告を求めることができる。 - (委任)
第5条 この条例の施行について必要な事項は、市長が別に定める。 - 附則(施行期日)
- この条例は、公布の日から施行する。
(財団法人三鷹市まちづくり公社の助成等に関する条例の廃止) - 財団法人三鷹市まちづくり公社の助成等に関する条例(1996年三鷹市条例第6号)は、廃止する。
- この条例は、公布の日から施行する。
財団法人三鷹市まちづくり公社事業の承継
2001年4月に、市民の自主的なまちづくり活動を支える目的で設立されていた「財団法人三鷹市まちづくり公社」を統合し、SOHO支援事業の管理運営や多くの市民主体のまちづくり事業を承継しました。
そのうち、市内3つのふれあいの里(牟礼、丸池、大沢)事業については、その後設立された特定非営利活動法人三鷹市花と緑のまち三鷹創造協会に移管しました(2010年)。
SOHO CITYみたか構想の実践
1997年2月に、財団法人三鷹市まちづくり公社(現在は株式会社まちづくり三鷹と統合)がおこなっていた「三鷹市まちづくり研究所」の第3分科会《テーマ:情報都市づくり》(座長:ルーテル学院大学・清原慶子教授<当時>)が、第1次中間報告として「『情報都市みたか』への提言INS実験都市からSOHO CITYへ」を市に提言しました。
INSモデル実験などで高度情報化に対して経験を持ち、エリア内に高速・大容量の光ファイバーケーブル網が敷設されるなど、ほかの地域に比べて情報通信基盤が急速に整備されていた三鷹市で、「これからの時代の大きな流れになるであろうSOHOの集積を誘導する新しい都市型産業振興政策を進めるべきである」という内容でした。続けて同年10月には、「情報都市みたかへの提言~『SOHO CITYみたか』への事業展開」と題した第2次中間報告書が市に提出されました。
第1次中間報告に対し、発表当初から情報通信関連企業・SOHO起業家・郵政省・シンクタンクなどから反響や問い合わせが相次いだことから、同分科会ではこれを「事業化の有効性を示唆する反応」と受け止めて、第2次中間報告では、さらに実験的な取り組みの開始を提言しているものです。
主な内容は「SOHO CITYみたか推進協議会の設立」と「パイロットオフィス実験の開始」など。
これを受けて、1998年度から市はSOHOパイロットオフィスの実証実験を開始することとし、同年7月には推進協議会が発足、12月に財団法人三鷹市まちづくり公社が三鷹駅前にパイロットオフィスを開設しました。
参考:三鷹を考える基礎用語辞典(三鷹市)
「SOHO CITYみたか構想」は、三鷹産業プラザ、三鷹市三立SOHOセンター(2014年8月31日閉鎖)、三鷹市SOHOパイロットオフィスの3つのSOHO施設と、民間のSOHOオフィスを拠点に、市内に敷設された光通信網を活かして、情報関連企業の集積とSOHOなどの創業支援をおこなうものです。
あわせて、市民の情報化へのリテラシィを高める一方、市内の事業者の情報化を推進する、新たな都市型産業振興を含む地域情報化の構想です。
三鷹産業プラザ(2期棟)の建設
2001年に開設された三鷹産業プラザ1期棟に続き、2003年に「中小小売商業高度化事業」として当時三鷹TMOである当社により、三鷹産業プラザ(2期棟)が建設されました。中心市街地における魅力ある商業空間の創出と駅前商業の活性化に向け、1期棟にはない商業支援機能を盛り込み、小売業を中心とした店舗が数多く入居しました。
また、2003年には中心市街地商業等活性化総合支援事業として、商業インキュベーション施設「コスモ三鷹ロイヤルフォルム」の店舗施設を取得。三鷹産業プラザ2期棟と同様に、当社の事業拠点としてその資産価値を有効に活用することとなりました。
市政窓口業務の開始
2002年、行政サービスのアウトソーシング先となる事業展開として、三鷹駅市政窓口業務を受託しました。当社が請け負うことで窓口時間の延長や平日以外の開設等が実現し、市民サービスの向上につながりました。市政窓口業務としては市民満足度調査結果での高評価や社員の業務ノウハウの蓄積等が実績として評価され、その後、市内3か所の窓口業務の受託につながりました。さらに、その後の三鷹市マイナンバーカードセンターコールセンター業務受託(2022年)につながり、当社事業の大きな柱となりました。
2004-2009
三鷹市のパートナーとして
2006年、まちづくり三法の改正があり、当社は旧中心市街地活性化法に基づくTMO組織としての位置づけはなくなりました。しかし、それまで手掛けていた多くの事業を維持・発展させるとともに、時代に合わせた新しい分野の事業に取り組む等、三鷹市のパートナーとしての存在意義を高めてきました。
実施事業の増加に合わせて、社員数も増えたため、事務所レイアウトの変更・拡大も行い体制を整えました。
コミュニティビジネスへの支援
2006年、地域に戻る団塊世代の方に、地域をベースに自己実現ができるステージを提供し、「知恵」を根付かせることを目的に、三鷹産業プラザ2期棟に「コミュニティビジネスサロン」を開設しました。
三鷹市では、全国に先駆けてSOHO事業者の集積を実現。またシニア層により地域活動の成功事例もあり、三鷹市は、団塊の世代の方々をはじめ起業を志す方にとって、新しいステージに自らの人生のシナリオを描ける取り組みが展開できる土壌が整っている地域と言えます。そこで、この取り組みを通して、地域の活力向上やコミュニティの活性化に来よるものとして期待されました。
その後「ソーシャルビジネス」という視点での起業支援につながっています。
プライバシーマークの取得
2007年にプライバシーマークを取得しました。2年前の2005年には個人情報保護方針を定め、公開。現在に至るまで、業務に携わるすべてのスタッフに毎年研修を実施するとともに、社内にプロジェクトチームを編成し、2年に一度のプロジェクトメンバーチェンジを繰り返しながら個人情報保護に関する意識及びスキルの向上を続けています。情報セキュリティ業務の知識、スキルを持つ社員雇用を含めた体制を維持し、プライバシーマークは、取得後更新を続けています。
新規事業等の挑戦
2008年に組織再編し、IT事業本部を設置。国産プログラミング言語「Ruby」の普及やシステム開発に着手しました。そのほか、食と農分野では農業法人の立ち上げにかかわるほか、健康・医療、環境ビジネスに関する新規事業にも着手しました。地域振興事業として、「みたかDE CINEMA」と銘打ち文化環境の充実にも取り組み「コミュニティシネマ」事業へとつなげました。
2009年に、これら新規分野での事業挑戦と今後10年を展望した、経営ビジョン及び経営理念を定めました。また、人事制度を改め目標管理制度を導入する等様々な挑戦を続けました。
2010-2014
商工業振興の取り組み
2011年、市及び関係7団体が協働して三鷹市買物支援事業本部組織を編成。また震災を受け三鷹駅前に「東日本応援ショップ」をオープンしました。「TAKA−1(タカワン)~みたかのおみやげ部門~」事業もスタートし事務局業務を担うことになりました。
三鷹産業プラザに新しいものづくりスペースも開設。三鷹市SOHOパイロットオフィスでは東京都インキュベーション施設運営計画認定事業として施設のリニューアルをすすめました。
国産プログラミング言語「Ruby」を通じた地域活性化へ
2011年、国産プログラミング言語である「Ruby」を通じた事業展開を開始。中高生向けのプログラミングコンテストの開催や、システム開発などに取り組みました。
公共施設の指定管理者として
2012年、三鷹市の駐輪場有料化に合わせて、多くの市立駐輪場の指定管理者となりました。管理システム・駐輪機器の導入やキャッシュレス化を進め、全体的な利便性の向上と施設管理コストの削減につなげました。
また、市民住宅(借り上げあるいは市建設施設)についても指定管理者となり、施設管理を続けることとなりました。
多くのイベントを通じての普及啓発及び地域活性化
従前から行ってきたビジネス支援事業を継続するなかで、セミナーや各種講座のほか、「SOHOフェスタ」「身の丈起業塾サロン」「地域再生実践塾」「ビジネスプランコンテスト」「子育てシンポジウム」「イノベーションスクール」等多くのイベントを開催しました。「地域新生コンソーシアム事業」を実施しました。商業活性化支援事業として、「インターネットショッピングモール(みたかモール)」のシステムリニューアルを行うほか、地域商店会と連動して三鷹産業プラザでの夏祭りイベントなどを三鷹産業プラザで行い多くの来館者でにぎわいました。
2015-2019
まちづくり団体への活動支援
毎年、地域課題に関するテーマを選び、「まちづくりセミナー」を開催。活動団体だけでなく地域住民も交えた多くの市民向けに普及啓発を続けています。また、各地域課題の解決のために設立されているまちづくり協議会の事務局業務等を通じ、団体活動の支援を続けています。
また、2015年に、まちのにぎわいや集い・憩いのためのスペースとして中央通りの一角に「スペースあい」(6団体による協働運営)がオープンし、事務局としてその運営を支援することとなりました。
起業・創業支援の継続
2017年、東京都・人づくり人材確保支援事業を活用した「女性のための就労支援講座」を開催。それまで続けてきた女性・若者・シニア創業事業とともに地域での起業創業をバックアップする相談事業体制の充実を図るほか、催し・セミナーを定期的に主催しています。また、市の外郭団体や周辺大学と協力し、アントレプレナーシップにも取り組んでいます。
社員就労環境をより良いものにするために
2018年に、ライフ・ワーク・バランスの実現に向けた時差勤務制度を導入。2019年にはテレワーク勤務・時差勤務制度を開始させました。人事評価制度についても定期的に見直しを図り、社員の就労環境におけるより良い改善につながるような取り組みを続けています。その後、定期的に行う社員に対する満足度調査やストレスアンケートの実施を行っています。
2020-現在
新型コロナウイルス感染拡大による事業等への影響
2020年から2023年にかけて世界的に猛威を振るった新型コロナウイルスによる影響を受け、当社でも多くの事業が中止、縮小、延期を余儀なくされました。これを機にリモートワーク制度も導入し、効率的な働き方の選択肢が増えることとなりました。
2022年までに、職場環境の改善とランニングコスト削減を目的に、本社事務所における照明と空調・換気設備の更新も行いました。
新たな経営ビジョンとともに
2019 年、創立20周年の節目にあたり、2009年に設けた「経営ビジョン」を改定しました。ライフ・ワーク・バランスの実現に向けた時差勤務制度の導入をはじめとする様々な就労環境の向上及び福利厚生制度の改善を続けるとともに、2024年には産業保険医との連携やストレスチェックを通じた健康経営にも取り組んでいます。
これまでに築きあげた信頼と実績を基に、地域社会の発展に寄与するための様々な事業展開を図るとともに、事業を通じた社会貢献に取り組んでいます。
2024年3月現在 社員数69名。